Androidの動きが重くなり突然フリーズするタブレットがリカバリーモードでしか起動しない状況に戸惑っていませんか?
手順どおりに電源キーと音量キーを組み合わせる基本操作から、パソコン接続での復旧まで、実体験を通じてつまずきやすいポイントを補いながらわかりやすく整理しました。画面の指示を追うだけでデータを残したまま再起動でき、原因調査のヒントも得られます。
まずは充電を確保し、端末を手元に置いて、次の章で紹介するチェックリストから一緒に試してみましょう。
Androidタブレットをリカバリーモードに入れて元気を取り戻す流れ

なんだか動きが重たいAndroidタブレットも、リカバリーモードを使うとシャキッと元気を取り戻せることがあります。
- 電源を完全に切る:長押しで電源オフを選び停電状態にする
- 特定のボタンを同時押し:多くの端末は電源+音量アップ(またはダウン)を同時に数秒キープ
- メニューからキャッシュ消去:画面の案内に合わせてWipe cache partitionを選ぶ
- Reboot system nowを選択:通常起動に戻して動作チェック
本体のボタンで入るやり方

電源ボタンと音量ボタンだけで起動できる方法です。OSが正しく動かなくても利用できるので、システムに深刻なトラブルが起きたときに頼りになります。
主に電源オフの状態から電源+音量アップや電源+音量ダウンを同時長押しする手順で入り、画面操作が効かないときでも安心です。
①電源を完全にオフにする
電源ボタンを長押ししてメニューが表示されたら電源オフをタップします。画面が真っ暗になり、LEDランプも消灯するまで待ってください。
タッチ操作が効かないときは、約10秒ほど電源ボタンを押し続けると強制シャットダウンできます。
②電源ボタンと音量アップを同時に長押し
電源ボタンと音量アップボタンを同時に押して、そのまま約10秒間キープします。
画面が暗くなり、Androidロゴが表示されたら指を離してください。
音量アップを押すタイミングが早すぎると電源だけが切れることがあるので、両方のボタンをほぼ同時に押すのがコツです。
③バイブが鳴ったら電源ボタンだけ離す
このタイミングがリカバリーモード移行の合図です。端末がブルッと震えたら電源ボタンだけをそっと離してください。
音量ボタンは押し続けることで操作メニューが表示されます。リリースを間違えると通常起動を続けるので、振動が確実に来たのを確認してから離すのがコツです。
④リカバリーメニューが出るまで音量アップをキープ
電源ボタンを離して、音量アップボタンだけを押し続けます。タブレットの反応が遅い場合もあるので、あせらず約5秒から7秒間キープしてください。
画面が真っ暗のままでも、内部ではリカバリーモード起動の準備が進んでいます。OS起動のスプラッシュロゴやメニューが出たら手を離せる合図です。
モデルによっては電源オフ後すぐに押し直すとうまくいきやすいので、タイミングをずらさず一気に長押しするのがポイントです。
⑤音量ボタンでメニューを動かす
音量の上ボタンで上に、下ボタンで下に移動できます。リカバリーモードではタッチ操作が効かない機種もあるので、ここは音量ボタンが頼りになります。
1回ごとに選択が変わるので、しっかり押したら動きを待ちましょう。移動中の文字が白くハイライトされているかチェックすると安心です。
長押しすると電源オフや再起動が実行されるかもしれないので、必ず短く押すのがコツです。
⑥WipeCachePartitionを選んで実行
リカバリーモードのメニュー画面で、音量キーを使ってWipeCachePartitionの項目まで移動してください。
音量アップ/ダウンキーでカーソルを「WipeCachePartition」まで動かし、電源キーを押して決定します。
キャッシュの消去が自動で進むので画面が戻るまでそのまま待ちます。数秒から数十秒かかります。
WipeCachePartitionはデータ消去を伴わずシステムの一時ファイルだけを削除します。
⑦RebootSystemNowで再起動
音量ボタンで「RebootSystemNow」を選んだら、電源ボタンを押して決定します。これでタブレットが再起動を始めます。
バッテリー残量が少ないと再起動が途中で止まる場合があります。事前に充電器につなぐと安心です。
パソコンとADBで入るやり方

パソコンとUSBケーブルを使ってADBコマンドから直接リカバリモードに入る方法は、ハードキーの操作がうまくいかないときや画面ロックがかかっているときにも活躍します。
すでに開発者向けオプションでUSBデバッグを有効にしている必要がありますが、一度設定しておけばUSB接続だけでタブレットを操作できる安心感が手に入ります。
①USBデバッグをオンにする
設定アプリを開いてスクロールし「システム」をタップします
「詳細設定」を押してから「タブレット情報」を選びます
表示された「ビルド番号」を続けて7回タップすると「開発者向けオプション」が有効になります
一つ前の画面に戻り「開発者向けオプション」をタップします
下へスクロールして「USBデバッグ」のスイッチをオンにします
表示される確認ダイアログで「OK」を選んで許可してください
USBケーブルはデータ転送対応のものを使い、タブレット画面は必ずロック解除してから操作してください。
②パソコンとタブレットをUSB接続する
まずタブレットの画面ロックを解除しておいてください。
付属のUSB-Cケーブルを使いパソコンのUSBポートへしっかり差し込みます。耐久性の高いケーブルを選ぶと長持ちして安心です。
接続後タブレットの通知領域を下にスワイプし「USBをファイル転送に使用」をタップしてください。これでパソコンからタブレットが認識されます。
③PCでadbdevicesを打って認識を確認
ここではPCがタブレットをちゃんと認識しているか確かめます。
PCのターミナル(Mac/Linux)またはコマンドプロンプト(Windows)を開きます。
adb devices
接続中の端末IDが一覧に出ていれば準備完了です。
端末が表示されないときはUSBケーブルを挿し直すか、ドライバーの再インストールを試してください。
④adbrebootrecoveryを実行
ターミナルやコマンドプロンプトでadb reboot recovery
を入力してください。これだけで Android タブレットがリカバリーモードで再起動します。
もし反応がないときは USB ケーブルの接続やドライバーが正しく認識されているか確認して、adb devices
で一覧に表示されるかチェックしましょう。
タブレットのバッテリー残量が少ないと再起動に失敗することがあります。十分に充電した状態で実行しましょう。
⑤タブレットがリカバリーモードで起動する
ボリュームアップ+電源ボタンを同時に押し続けると数秒後にAndroidのロゴとリカバリーメニューが表示されます。
画面が真っ暗なままの場合は電源ボタンを離さず長押しすると再度呼び出せます。
ボリュームボタンで項目を上下に移動し、電源ボタンで選択を決定できます。
バッテリー残量が十分でないとリカバリーモードが起動しにくくなるので、事前に充電をしておいてください。
リカバリーモードを使ってできる楽しい応用

リカバリーモードは端末の調子を整えるだけじゃありません。ちょっと工夫すると、いつものタブレットをもっと楽しめる応用技がいくつも見つかります。
応用技 | 使いどころ | 役立つこと |
---|---|---|
キャッシュの一括削除 | 長時間使って動きが遅くなったと感じたとき | 見えないゴミをスッキリ消して操作を軽やかにする |
カスタムROMの導入 | 好みのUIや最新機能を試したいとき | OSを楽しみながら最新Android体験を味わえる |
ZIP形式のアドオン適用 | キーボードやカメラ機能を強化したいとき | 公式アプリだけでは足りない機能を追加できる |
システムログの抽出 | アプリ開発や不具合調査をするとき | 問題箇所をピンポイントに探せる情報が手に入る |
ファームウェア手動アップデート | メーカー配信前のバグ修正版を試したいとき | 先行して最新の安定化ファイルを適用できる |
これらの応用をマスターすれば、タブレットをさらに自由に操れます。リカバリーモードをちょっとのぞいて、いつもの使い方にプラスアルファの楽しみを見つけてみませんか?
キャッシュだけを消して動きを軽くする

アプリの一時データだけを消して、タブレットの動きをすっきり軽くできます。キャッシュを消すと画像や操作履歴の残りカスがなくなるので、読み込みがスムーズになります。
アプリごとにキャッシュ消去できるため、大切な設定やログイン情報はそのまま残せるのがうれしいところです。動作がしつこく重いと感じるときに、まず試してみると効果的です。
①リカバリーメニューでWipeCachePartitionを選ぶ
音量ボタンでメニューを上下に移動して、WipeCachePartitionまでカーソルを合わせます。合わせた状態で電源ボタンを押して選択してください。
この操作では一時ファイルだけが消えるため、写真やアプリはそのまま残ります。
選択後、キャッシュ削除に時間がかかる場合がありますが焦らず待ってください。
②確認を求められたらYesをタップ
画面に「操作を続行しますか?」といった確認ダイアログが出たら、迷わずYesをタップしてください。
機種やOSのバージョンによって表示文言が異なることがありますが、「Yes」または「OK」と書かれたボタンを選んで進めてください。
③完了したらRebootSystemNowで再起動
音量キーでReboot System Nowまで移動して、電源ボタンを押して決定します。
システムが再起動し、通常画面に戻ります。
再起動が始まるまで少し時間がかかることがありますが、そのままじっと待ってください。
工場出荷状態に戻してクリーンスタート

スマホの調子がずっと悪いときは、まっさらな状態に戻すのがすっきり直せるときがあります。工場出荷状態に戻すと、インストールしたアプリやカスタマイズした設定がぜんぶリセットされて、スマホを買ったときの状態に戻ります。
問題の原因がどこにあるかわかりにくいときや、いつもの再起動やキャッシュクリアでは直らないときに、この方法が効くことが多いです。ソフトの不具合をまとめてリセットできるのが大きな魅力です。
- バックアップは必ず取る:写真や連絡先もまとめて消える
- 不具合の根本解決:隠れたアプリ競合や設定ミスも一掃
- スムーズな再設定:必要なアプリだけを選んで再インストール
とくにソフト面のトラブルが長引くときや、OSのアップデート後に動作が不安定なときに試してみてください。まっさらなスタートで、新鮮なスマホを楽しめます。
①リカバリーメニューでWipeDataFactoryResetを選ぶ
電源ボタンと音量ボタンでリカバリーモードを表示したら、音量キーの上下でWipe Data/Factory Resetまで移動します。選択は電源ボタンで決定してください。
この操作で内部ストレージのデータがすべて消えるので、実行前にバックアップを済ませておくと安心です。
②YesDeleteAllUserDataを選んで実行
ボリュームボタンの上・下を使ってYesDeleteAllUserDataまで移動してください。
到達したら電源ボタンを押して操作を確定すると、内部ストレージのユーザーデータがすべて初期化されます。
実行中は電源を切らないようにゆっくり待ちましょう。
注意点:この操作ですべての写真やアプリデータが消えます。大切な情報は事前にバックアップをお忘れなく。
③完了後にRebootSystemNowで再起動
音量下ボタンでRebootSystemNowを選んで電源ボタンを押します。
これでタブレットが通常画面へ戻ります。メーカーのロゴが出ても、そのまま焦らず待ちましょう。
手動でOSアップデートZIPを当てる

OSの手動アップデートZIPは、公式やXDAなどで配布されるファイルを自分で当てる方法です。OTA(ワイヤレス更新)でエラーが出たり、古いビルドに戻したいときに便利です。
- 最新パッチをすぐ反映できる:公式配布前のベータ版を試せる場合もあります。
- ネットワーク不要:ダウンロード後はオフラインで作業できるので安定性が高いです。
- トラブルシューティングが楽:リカバリーログを確認しながら進められるので原因究明に役立ちます。
①SDカードのルートにupdate.zipを置く
このステップでは、リカバリーモードで認識させるためにupdate.zip
をSDカードの最上層に配置します。
入手したupdate.zip
をパソコンの任意フォルダに保存します。ファイル名は必ず半角英数字でupdate.zip
にしてください。
タブレットでUSBデバッグを有効にしたうえで付属ケーブルでPCと接続します。外部ストレージモード(ファイル転送)を選びます。
エクスプローラー(Finder)でSDカードを開き、最上層フォルダ(root)にupdate.zip
をドラッグ&ドロップします。フォルダの中に格納しないよう注意してください。
SDカード内にフォルダを作るとリカバリーモードで認識されません。必ずルート直下に置いてください。
②リカバリーメニューでApplyUpdateFromSDCardを選ぶ
ボリューム↑↓ボタンを使って、リカバリーメニューの項目を上下に動かします。「ApplyUpdateFromSDCard」が表示されるまでゆっくり探してください。
目的の項目にカーソルを合わせたら、電源ボタンを押して選択します。これでSDカードからの更新開始準備が整います。
SDカードに置いた更新ファイル名は必ず「update.zip」になっているか確認しましょう。大文字小文字の区別で読み込めないことがよくあります。
③update.zipを指定して実行
音量ボタンでカーソルを動かし、apply update from sdcardまで移動したら電源ボタンを押して決定してください。
表示されたファイル一覧から、先ほど用意したupdate.zipを音量ボタンで選択し、電源ボタンで決定してください。
ロゴや進捗バーが表示されたらインストールが始まります。完了まで触らずに待ち、成功メッセージが出るのを確認してください。
update.zipがリストに見当たらないときはファイル名が正しくないか、対応するフォルダに入っていない可能性があります。
④処理終了後にRebootSystemNowで再起動
リカバリーモードのメニューでRebootSystemNowを音量キー上下で選び、電源ボタンを押して決定します。
これでタブレットが自動的に再起動を始めます。再起動には少し時間がかかることがありますが、ホーム画面が表示されれば完了です。
よくある質問

- リカバリーモードに入るボタン操作が合っているか不安です
-
電源オフ後に電源ボタンと音量下ボタンを同時に長押ししてみてください。Androidタブレットは機種によって電源+音量上だったり音量下だったりしますが、両方試したうえで長押し中にロゴが出たら音量ボタンだけ押し続けるとリカバリーモードへ入れます。バッテリー残量が少ないと反応しにくいことがあるので、20%以上ある状態でトライすると成功しやすいです。
- リカバリーモードで操作するとデータは消えてしまいますか
-
リカバリーモードに入っただけではデータは消えません。メニューから「wipe data/factory reset」を選ぶと工場出荷時へ戻るので、誤選択さえしなければファイルやアプリはそのまま残ります。個人的には最初に「reboot system now」を選んで通常起動を試してみるのがおすすめです。
- メニューが英語表記でわかりにくいです
-
リカバリーモードは英語が基本ですが、矢印キーで選択位置は日本語環境と変わりません。上から「reboot system now」「apply update」「wipe data/factory reset」「wipe cache」…の並びを覚えると迷わず操作できます。どうしても表示を変えたい場合はroot化が必要で少し手間なので、まずはメニューの並びをシンプルに覚えるのがお手軽です。
- リカバリーモードから抜けられなくなりました
-
「reboot system now」を選んで電源ボタンを押すとほとんどの場合、そのまま再起動します。もしメニューが固まったら、10秒ほど電源長押しして強制的に再起動してください。何度か試したうえで通常起動しない場合は、充電器をつないで再度試すと復活率が上がります。
電源ボタンが壊れていてリカバリーモードに入れない?
電源ボタンが物理的に反応しないと、通常の長押し操作が使えずドキドキしますよね。でもパソコンとつないでUSBデバッグをオンにしていれば、ADBコマンドで直接リカバリーモードを呼び出せます。
この方法なら画面タッチもボタン操作も必要なく、壊れたキーに悩まされることなしです。手順はシンプルで一瞬なので、予めUSBデバッグの有効化をチェックしておくと安心感がぐっと上がります。
リカバリーモードでデータは消える?
リカバリーモードに入るだけではデータは消えません。専用メニューが表示されるだけなので、写真やアプリのデータはそのまま残ります。
「Wipe Data/Factory Reset」を選ぶと端末が初期化されるため、メニュー操作では必ず誤選択に気をつけてください。
音量キーでメニューが動かない?
リカバリーモードで上下キーを押してもメニューが変わらず焦ってしまうことがあります。端末によってはキー割り当てが異なったり、そもそもドライバーが一時的にフリーズしている場合があるため、いくつかの方法で切り抜けると安心です。
- キー組み合わせの変更:電源+音量上下の順番や、長押しタイミングを変えてみると操作できることがあります。
- 外部キーボード接続:USB-OTGケーブルでキーボードをつなげば、矢印キーでメニュー移動が可能になります。
- ADB経由で操作:PCに接続してでメニュー上移動、
adb shell input keyevent 19
20
で下移動ができます。
状況に合わせて試してみると、思いどおりにメニューを動かせるようになります。キーの故障トラブルを避けたい場合は、外部キーボードやADBを活用するのがおすすめです。
リカバリーモードが起動しないときは?
タブレットのリカバリーモードがうまく立ち上がらないときは、まずボタンの組み合わせや長押し時間を見直してみましょう。メーカーによって微妙に操作が異なるので、電源オフ後に正しい音量キーや電源キーの押し方から確認するとすんなり入ることがあります。
それでも起動しない場合はパソコンとつないでADBコマンドを使う方法も試せます。USBデバッグをオンにしておけば、コマンド一つでリカバリーモードの起動を促せるので、物理ボタンが反応しないときの強い味方になります。
ADBがPCに認識されない?
タブレットをPCにUSB接続してもadb devicesで何も表示されないときは、ドライバーや接続モードが原因になっていることが多いです。
まずは端末側でUSBデバッグがオンになっているか確認してください。設定画面の開発者向けオプションでUSBデバッグを許可したうえで、USB接続モードがファイル転送(MTP)になっているかチェックしましょう。
WindowsではGoogleの公式USBドライバーかUniversal ADB Driverをインストールすると改善しやすいです。インストール後、デバイスマネージャーで「Android ADB Interface」が表示されていればPCがタブレットを認識できる状態です。
MacやLinuxの場合は、USBケーブルの接触不良に注意しつつ、必要ならudevルールを追加してパーミッションを設定するのがおすすめです。質のいいケーブルを使うとトラブルが減りますよ。
まとめ

リカバリーモードを活用すれば、電源を切ってから「電源+音量上」などのボタン長押しで簡単に起動できるようになりました。
キャッシュ消去やシステムアップデートの適用も同じ画面から操作できるので、不具合が続くときはここでメンテナンスを行うと安心です。
この手順を覚えておけば、タブレットが急に動かなくなってもあわてず対処できます。元気な端末で快適な毎日に戻ってくださいね。